ARTIST STATEMENT

使われなかった時間が流れる、或る風景の記憶

山崎晴太郎はデザイナーとして15年のキャリアをもち、その後アーティストとしての作品制作を始めた。グラフィック、オンスクリーン、プロダクト、空間設計と、領域を横断しながらクリエイションを行なってきた。

「この世界における本質的な美とは何か」

それが、活動の根源的なテーマであり、「相対性の中にある新たな絶対」を探し作品を発表し続けている。社会の中にある、一見絶対的だと思われている概念(例えば、『UNIT FOR Y-AXIS / Y軸のための単位』の場合は、この世界を構成しているX 軸・Y 軸・Z 軸は、等価であるという概念。『余白のための楽譜』においては、五線譜に記された音楽の世界、インスタレーション作品『In Praise of Shadow』の場合は、文字は定着しなければいけないという概念)をずらして、本質的に絶対的なものをあぶり出そうとしている。それらは相対性の中に埋没してしまった「使われなかった時間」である。

「使われなかった時間」をあらためて描き出す際、その背景には常に「自然」の存在がある。日本には古来から八百万の神を信仰する概念がある。彼は日本に生まれ育った中で、自然の中にどこか畏怖を感じ、それを絶対的な美の概念と重ね合わせてきた。自身のコントロールが効かない絶対的な存在として自然を捉えながらも、固有の物語が万物に潜在的にあると信じ、生け花や水墨画の鍛錬を通して、自然との関係性、自然の描きかたについて追求し続けてきた。

そのため、作品制作において偶発的な自然の力を受け止めようとする。これもまた新たな時間を描くための一つのプロセスであり、作品の中に自身のコントロールが効かない偶然性を取りこむ行為である。自然や偶発性の力を借りながら、常に相対を疑い、その中から新たな絶対を引き出すことで、この世界に「使われなかった時間」を描き出そうとしている。

Sei Yamazaki Artworks / Sei Yamazaki Biography

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